イングロリアスバスターズ

タランティーノの最高到達点がジャンゴだとしたら、この作品はそこまでではないということになるが。
個人的にはこの作品の方が好きだった。

ファンからするとそこまで評価は高くないようなのだが、それでも個人的に好きなのだからしょうがない。
ナチスもの、戦争もの、というジャンルに分けようと思えば分けられるのだが、あまりそういう見方ではこの映画を観なかった。
不謹慎だが、ナチスという題材を借りて描いた会話劇として楽しんだ。
タランティーノ自身も、おおいに遊びも交えつつ作ったのではないかと予想する。

特筆すべきは冒頭の15分くらいの第一章で、小屋で二人の男性が話すというただそれだけのシーンの緊迫感があまりにも素晴らしい。
アカデミー助演男優賞を受賞というのは完全に納得。
というかこのシーンだけでも十分すぎるくらい。
正直、ここよりも面白いシーンはこのあと出てこないのだが、プライベートライアンだってそうだ、最初のこのシーンが観れただけでもこの映画の価値は十分 すぎるほどある。

あとはタランティーノらしく、会話と会話で追い詰められた人物達が最終的に全員死んでいくという不条理さ。
そのへんは何人死のうが喜劇そのもの。

アメリカ人は、アメリカがナチスを追い詰めるのを楽しく鑑賞したのかも知れないが、日本人である身からすると「うん、どっちもどっちだけどね」と いう視点から観ることが可能なので、そういう点でも楽しめたのかも知れない。

peasemile studio

初めての子育てに奮闘する、ただの日常と些細なドラマを綴っていきます。

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