カメラを止めるな!

はい出た傑作。
もう、映画を観ている間、なんと幸せな時間だったか。
まだ二回観ていないので、二回目で評価がどこまで変わるか分からないが、少なくとも一回観た限りでは今年ベストの一つ。
前評判があまりにも高かったため、ハードルが上げられすぎた結果あまり面白くないだろうなと思っていた。
新人監督が80点くらいの映画を出したので、ビギナーズラック凄いとなっているくらいのイメージ。
実際、最初の一時間くらいはハッキリとつまらなかった。
「これはひどいな、これで高評価ならガッカリだ」と思っていた。
そこからだ。
自分の全ての感情をごっそりとさらわれてしまった。
映画を観るときに、求めるものは何か。
どの映画を観るかによってそれは大きく違うはずだが、例えば「爽快感」「恐怖」「快感」「知的欲求」「人生を変える」「号泣」などなど、なんでも いい。
それらの映画に求めるものが、この映画には凝縮されている。
映画のなかで作品(TVドラマ)を作るのを観るというのは、結構実は難しい。
つまるところ「身内の話じゃねえか、知らんがな」となってしまってもおかしくない。
でもこの映画がこれだけ多くの人に支持されているのはそんな身内ドラマにおさまっていないからに他ならず、全方位的に感動させる理由がしっかりと あるからだ。
それは、「かつて持っていた『大切な何か』を、絶望の中から取り戻す話」という
点だろう。
それは親子の愛情であり、自分の才能であり、自分の愛する仕事であったりする。
それがコメディで描かれるほどにグッとくるし、観た人全員ではないとは思うが、個人的には涙をこらえることが出来なかった。
ああ、なんと愛にあふれた話なのかと。
そういう瞬間にこそ、「いま、俺は映画を観ているんだ!」という幸せを感じるのだ。
さてこの映画、どこまでが狙い通りなのだろう。
あまりにも奇跡的な出来なので、ついついそんなことを考えてしまう。
最初のドラマパートがつまらなかったのは、どこまで意図的につまらなくしているのかが興味深い。
「もうだめだ、観るのやめたい」とまで思ってしまったなら、そこから先集中して観ることが出来なくなってしまう。
そこまでのリスクはかけられない。
ギリギリ観続けられる範囲で、かつ絶妙な違和感を残し続ける必要がある。
かといって、その伏線をこちらが感じすぎてはいけない。
考えれば考えるほど絶妙だ。
監督、おそるべし。
観終わってもう24時間以上は既に経過しているが、まだ興奮がおさまらない。
すべての日本人に観てほしい一作。
完璧だ!

peasemile studio

初めての子育てに奮闘する、ただの日常と些細なドラマを綴っていきます。

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