部活動の緩和と成長
部活動の緩和が少し前から話題になっています。
東京都内でシンポジウムが開かれ名古屋大学の内田准教授などが提言されたよう
ですが、「部活動を週に4、5日にしてはどうか」「根性、熱血論でス ポーツを
語りすぎるのは良くないのではないか」「先生への負担なども考えるべきであ
る」などといったものが会の骨組みだったよです。
このことから考えると、プロスポーツ選手などを目指す場合は、クラブチームな
どに所属するような形式になるのでしょうか。
その場合、「クラブなどをもたないスポーツの衰退」や、経済格差によって「本
来プロになれた選手がなれなかったケース」も出てくるかとは思います が、そ
こらへんは現在もあると思いますし、ここでは触れません。
基本的には提言には賛成ですが、気になるのは「当事者」の言葉がいまいち聞こ
えてこないことでしょうか。
「現役で部活をしている学生」や「部活動からばりばりのプロになったスポーツ
選手」はどのように感じておられるのでしょう。
知っているなかで例をだすと、サッカーの内田選手などは「部活組だった自分か
らすると、クラブ組のやつらには負けたくなかった」などと発言されて います。
内田選手はクラブ所属の選手よりも努力を重ねたことと思います。
ぼく自信もそれなりには真剣に部活に取り組んだ方ですし、土日も当然練習、今
考えると非科学的な練習もあったように思います。
結局才能がまったくないので結果はだせませんでしたが、今でも部活はやってい
て良かったと思っています。
ぼくにとっては「きつい部活」が合っていたのでしょう。
それに合わない人も当然いて、途中で辞めてしまう人もいました。当時のぼくは
「根性無しめ」と思っていましたし、今の学生にしたってそう思うこと は当然
あるでしょう。チーム内に仮想的をつくることは部活では普通のことと思います
し、それがチームを強くする面もあるからです。正しいか正しく ないかは別と
しても。
その根性なしの烙印を押された学生は、その後の学生生活は窮屈になってしまう
現実もあるかと思います。
このへんの意識改革は根強くやっていかなければなりません。
百獣の王・武井荘さんがおっしゃっていたのは「部活を続けていくなかで、その
先に何があるのかきちんと教育すべき。プロになる道、スポーツドク ターの
道、大学進学の道、学生のうちから真剣に考えておくべき。そうでないと、いざ
スポーツを取り上げられたときにどうするかの選択肢がなさ過ぎ る」という意
見でした。
ぼくはこれこそが真実だと思っています。
血反吐を吐いて真剣に部活に取り組む人、体を動かす程度で取り組む人、友達と
のコミュニケーションの場として楽しむ人、いずれもが正しいのだと思 います。
その人に合った形があるはずです。
それを考える間もなく、与えられた練習をこなすことだけが正解だとするのはさ
すがに乱暴だと思うのです。
だからこそまずは知るべき。教えるべき。自分がその部活をやるうえで、何を得
ることができるのか。
そして、勉学にはげみたいとか、自分と向き合うためだとか、いじめを回避する
ためなら部活なんてすぐに辞めてもいいのではないでしょうか。
その人は根性無しでも何でもなく、次のステップを踏みだしたというだけのこと
です。
(それとは別に、本当の根性無しは、なんだかんだと言い訳を見つけ出しては何
をやっても辞めていくでしょう。これは仕方のないことかと思います。 その人
に合うものが偶然でてくるのを祈るほかありません)
それらの「いくつもの選択肢」をきちんと教育してあげることから、部活は変
わっていくと思います。
おそらく、それがすすむうちに、日本のスポーツレベルは全体的に下がるかも知
れません。
ぼくはそれでもいいと思っています。
学生時代はとても短い。
何かに真剣に取り込むことが許される時間はとても短い。
うまくいけば、スポーツのレベルが落ちることとは引換えに、充実した心をもっ
た学生がきっと増えると考えます。
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