イニエスタがやってくる ヤアヤアヤア!

アンドレス・イニエスタ選手が神戸に入団間近なのだそうです。
イニエスタについてかなり大雑把な説明をすると、2008年~2012年あたりまで間違いなく世界最強だったスペインのFCバルセロナの主力選手 であり、2010年W杯の優勝メンバーの主力選手でもあり、決勝でゴールを決めて文字通り優勝をスペイン代表にもたらした選手です。

バルセロナがそれ以降弱くなったというわけでは全くなく、ドイツやレアルマドリーなどのチームとタイトル争いを続けているというだけで、世界ナン バーワンチームの一つであることは間違いないです。
(メチャクチャ大雑把な説明なので反論はあるでしょうがご容赦を)

移籍が噂される楽天が用意する年俸は32億円から47億円だとかだそうで、獲得となればJリーグの年俸の差額が恐ろしいことになります。
格差社会と言われて久しい日本ですが、それどころの騒ぎではありません。
以下はJリーグの年俸ランキングです。



このランキングの上位であるポドルスキやジョーといった選手は、フットボール
のある程度ファンである僕からすると、当然知っているレベルの選手で はあるのですが、現在世界レベルの選手かと言われるとそんなことはありません。
かつての代表チームでも主力選手だったというわけでもありません。
(ファンの方は異論があるかも知れませんが、)
イニエスタもピークを過ぎた選手であることは間違いないと思いますが、Jリーグに参入するとしたら過去最高のビッグニュースであることは間違いな いでしょう。
金額的にもネームバリュー的にも。

問題は「そこまでして加える必要があるのか」という話です。

ヴィッセル神戸は、Jリーグ内で「10位前後をウロウロしていて、定期的にJ2に落ちることもある」チームというのが現状です。
もちろん神戸がそれで満足しているというわけでは全くないでしょうが、Jリーグは特に毎年優勝チームがめまぐるしく変わり実力の拮抗したリーグで す。

こちらは週給ですが、イングランドのプレミアリーグの給与ランキングです。

1位 アレクシス・サンチェス
(マンチェスター・ユナイテッド)
50万ポンド(約7800万円)
2位 メスト・エジル(アーセナル)
35万ポンド(約5400万円)
3位 ポール・ポグバ(マンチェスター・ユナイテッド)
29万ポンド(約4500万円)
4位 セルヒオ・アグエロ(マンチェスター・シティ)
26万ポンド(約4000万円)
このランキング上位はチリ、ドイツ、フランスなどのバリバリの代表選手です。
4位のアグエロ(アルゼンチン)のいるマンチェスターシティが今年の優勝チームとなります。

イニエスタのいるスペインのリーグのランキングではなくイングランドの方を出したのは、イングランドのリーグの方が優勝争いが激しく、毎年優勝 チームが変わるのが特徴という点がJリーグに近いからです(それでも優勝候補チームは6チーム程度に絞られますが。スペインは2+1チーム程度が 優勝候補となります)。

ランキングをみると分かるのですが、サッカーは「金を積んだら優勝が買える」かも知れないが、「優勝を約束できる」という単純なスポーツではない ということです。
当然そこが魅力のスポーツなのですが。

イニエスタをここまでの金額で加入させる以上、神戸と楽天に課せられるのは
「数年以内に神戸をJリーグで優勝させる」というのが絶対の命題となっ てくる
でしょう。
そこにある程度の自信があるから加入に踏み切ろうとしているのだと思います。

そこで次の問題ですが「そこまでして優勝することに魅力があるのか」という点です。

先ほど挙げたスペインやイングランドのリーグには、上位チームほどTV放映権の配当金が増えるルールであったり、チャンピオンズリーグという世界 最高リーグへの出場権の獲得というメリットがあります。

Jリーグを制覇することの見返りが、イニエスタの獲得というバランスと見合っているかはちょっと不明だなと思うわけです。

勿論、サッカーのファンである僕には優勝というロマンがどれほどのものかは分かっているつもりです。

ですが、サッカーほど危険で水物のビジネスはないというのも一つの事実として認識しておく必要はあると思うのです。

例えば20年前には世界最高のリーグであったイタリアは、名門チームが次々と経営に失敗してしまいあれよあれよと弱体化してしまった歴史がありま す。

アラブ系の石油王や中国系の資産家がクラブを買収してビジネス化させるパターンも近年増えておりますが、大成功したチームもあればチームそのもの が空中分解してしまうまで崩壊したチームもあります。



楽天がそのリスクをどこまで考えているのか、ちょっと疑問なわけです。

イニエスタ一人の獲得がダメだったとしても、神戸が負債をかぶればいいという単純な話ではありません。

近年特にサッカービジネスに力を入れているのがアメリカと中国です。
資金力はさすがの一言で、Jリーグでは到底考えられない規模で有力選手を次々
と引き込みリーグ全体の活性化をはかっています。

そう、大事なのは、リーグ全体を活性化させるほどの資金力なのです。
スーパースター一人を獲得してお終いではなく、そのビッグディールを維持する
力があるからこその投資をしているわけですね。

楽天がイニエスタに巨額の投資をするというのであれば、それに続いてのビッグディールやリーグ全体のレベルの底上げがないと、すぐにビジネスとし ては行き詰まってしまう可能性が高いと思うわけです。

そこまでの計算が果たしてあるのかどうか。
他のクラブはそのペースに合わせることが出来るのか。
最近JリーグではDAZNとの提携などにより大きなお金を動かすことに少し余裕ができました。




それをいかに有効的に活用するかは各クラブの手腕が試されることではあるので
すが、それが短期的な試みでなく、長くクラブ経営を安定させ、リーグ 全体の魅力の向上とつながっていなければ意味はありません。

イニエスタという僕も大ファンである選手が日本に来るというならば、やはり興奮する気持ちはあります。

そして、それと同じくらいの不安がやはりあるのも事実でした。

peasemile studio

初めての子育てに奮闘する、ただの日常と些細なドラマを綴っていきます。

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